図書館におけるホームレス対応

最近公立図書館でホームレスへの対応に苦慮しているらしい。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/174363/
確かに豊島区立中央図書館にもけんかしたりする人こそ見ないが通路に寝転がって雑誌を読むそれっぽい人がいる。(ちなみに記事には「居眠り」とあるがそれはホームレスに限られない。ちなみに該図書館では寝ていると起こされるはず。)それについてブログ上で意見を書く人がいる。
http://d.hatena.ne.jp/Romance/20080830#p1
http://d.hatena.ne.jp/chnpk/20080831/1220163097
一つ感心するのは,直接自分に関係しない(であろう)事柄なのにこれだけ強い調子で他者を批判できること。そんな熱い心はどこかに置いてきたよ…と自分のじじーぶりを自覚する次第。
でも何にも考えていない人風なのもいやなので考えたことを短くまとめてみる。
1.アルコール臭などの悪臭を漂わせる人や通路に寝転ぶ人は迷惑。このような人に図書館を利用させるべきではない。これは利用する権利や人権の問題ではなく他の人に迷惑をかける人の利用を認めないという当然のことである。単に不快の問題のみならず,椅子など不特定多数の人が使うので衛生上の問題でもある。他の人と共存できる程度には清潔を保つ必要がある。ちゃんと配慮している周りの人に受忍義務があるのではない。
2.図書館は情報や文化のアクセスのために作られた物であり,生活の拠点がない人向けの施設ではないこと。施設の目的をきちんと意識しないと文化振興も福祉もおろそかになってしまう。
3.ホームレスの人々は清潔にしようとしてもできないので悪臭を理由に利用を断ると,彼らの知る権利が奪われてしまう,という意見もありうる。しかし図書館利用は他の人が不快に思わない程度に清潔にしてくるべきであるし,朝から晩までいる必要はないだろう。(逆にそう言う配慮をする人に門戸を閉ざすのは行き過ぎ。この点で「ホームレスには人権はない」という議論はおかしい。)この指摘は不潔な人に図書館を開放するかどうかという議論ではなく,ホームレスが体をきれいにしたいときにそれができるかという福祉の問題に結びつくはずである。
結局福祉の問題に帰着するのだが,福祉について素人的に1つだけコメント。福祉は生活全部の面倒を見るか,全く見て見ぬふりをするかどちらかだったように思われる。どうしても体調が悪いとき,ひもじいとき,きれいにしたいときetc.のみに一時的に逃げ込めるシェルターのようなものがもっと各地にあってもいいのではないか。こうすれば納税者が逃げ出さない程度の金銭的・精神的負担で福祉が行えるのではないだろうか。