模様替え

部屋があまりに散らかりすぎて親も踏み入れなくなった。好都合なことでもあるが、自分の生活にも支障を生ずるようになってきたので、掃除することにした。といってもそもそも部屋のキャパ以上のものが積んであるので大がかりなものにならざるをえない。どう片付けるか考えているうちに全てを変えたくなった。だがどう変えていいものか。そこで片付けを名目に、教授につれられて行ったスキーの帰りに勢いで買った日本酒を飲みながら、夏にイギリスに行った時に買ってきたおみやげのうち、渡す勇気を持てずにそのまま残っていたバターっぽいパウンドケーキをつまんでいた。考えてみたら、僕の部屋に残っているのはついでに買ったものか役割を果たせずに残留しているものがほとんどなのだ。それらが捨てきれずただ積み上がったものの中で途方に暮れているこの状態が今の自分を象徴していた。(続く)